きぬかつぎ

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小説の感想・心霊探偵八雲第11巻

一冊で収まってシリーズ完結になるかと思った11巻。

複雑に絡み合った事情のせいで一冊では終わらなかった。

ちょっとネタバレありです。

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今回は前巻で予告があった通りに晴香がターゲットになった。

手法はいつもの通り表面的にはそれとわからない状況で始まり、次第にこれはきっとあの女の仕業に違いない、と気づく展開となった。

それで晴香が七瀬の思う通りにターゲットになってしまう。そうなってみて初めて、八雲は自分の気持ちに気付いたのだが事はすでにかなり深刻な状況に進展していて…ここで本巻は終わってしまうのであった。

今回は、意外にも全くの新たな何かではなく、初心に帰って?初期に起きたある事件につながる事件が起きる。少し当時を思わせるようなシーンも出てきたりする。違うのは当時と違う人間が当時と同じような行動をすることだろう。そして展開も大きく異なる。読んでいるとああどうして今回はこうなるの〜、と言いたくなる。

もう一巻で終わらせたいという意図としては実に際どいところでスパッと切って、読者に歯ぎしりさせつつ、次巻購入にうまくつなげていると思う。

でも読者としては、これならむしろ最後まで引っ張ってもらって、ページが増えた分割高になった方が良かったような気がする。何しろもう事は起こってしまったのだから、あとはどう収束して行くかだけなはずなのだ。晴香と八雲がマンガ・喰霊のヨミとイズナみたいになってしまうのか(他に思いつかなかった)、それとも父雲海がうまい具合に手助けしてくれるか。それとも他に何か偶然が起こるのか。いずれにせよあとちょっとだと思うと、増ページでもみんな十分買うのではと思うのである。

 

心霊探偵八雲 第12巻の感想はこちら

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