きぬかつぎ

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小説の感想・ホーンテッド・キャンパス 幽霊たちとチョコレート

仕事帰りに電車の中で読んでもいいのに、今回もまた夜中に寝床で読んでしまった。

夫はいびきかいてるし猫たちは真っ暗な家のあちこちで不穏な音を立てている。ホラーを読むのには最高の雰囲気である。

ちょっとネタバレありです。

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シリーズ2冊目にあたるらしい本作もまた、いろいろな形の怖い話を披露してくれた。

一番怖いのはやっぱり生きている人間だ、とよく言われる(うちの家族は少なくともよく言ってた)通り、今回の話も直接、間接ともにそれを改めて感じさせてくれるものが多かった。

特に怖かったのは鏡の話と人形の話。どちらも最初は恐怖感たっぷりなのにオチは人情話で締めてくれて、どちらのモチーフも怖くてたまらない私を少し落ち着かせてくれたが、怖かったことは確かである。

各話に並行して走っている恋バナの方は怪奇現象解明ほどにはスムーズにはいっていないようだ。確実に近づいていってはいるけれど、まだまだ半径5メートルくらいな距離感が感じられる。いや、実際にはもっと近づいているのだけれど、何かこう、隙のない忍者2人がお互いの一瞬を狙って屋敷内を探りあってるような気がしてならない。身持ちが固いのはいいことなんだけども、そうして距離を置き続けるうちにも歳月は容赦なく過ぎるわけで、限りある人生の時間の中では割合も物理的にも一緒に居られる時間が急速に減っていくのだ。それをどうにかできるようならもちろんチョコを大量に消費するあの日など流行らなかったろうけども。

 

ホーンテッド・キャンパス 最後の七不思議 の感想はこちら

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