きぬかつぎ

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在宅はいいのだけど

とうとう日本でも部分的に外出自粛などが実施されると聞いた。

休校や在宅勤務に入っているところは既にあるので、そういう人たちは今後は今まで出かけようと思えば出かけられたのを出かけないようにしよう、ということかなと想像する。

欧州は既にいくつかの国や地域で数週間前からもっと厳しい外出規制が出ているところもあり、ドイツも罰金などが課されるようになっている。

人が多ければ必ず逆らう人がいるので、それでもわざとパーティをやったりピクニックをやってお巡りさんに解散させられたりしているが、多くの人は規制に従っている。

私なんかもう買い物以外の外出の記憶が薄れてしまったくらいだ。電車とかまた乗れるんだろうか?と思ったりする。そもそも電車って何?みたいな。

家で終日仕事をすると朝早起きしなくていいし夜も通勤疲れがないから結構いろいろできる。夫なんかはファークライ5の特売を見つけて買ったので毎晩やっている。

でも今までみたいにちょっとした買い物とか外食はできない。必要なものの買い物以外は基本家にこもっていることになっているからだ。

それをあまり窮屈に感じないように、私はこういうものなんだと自分に言い聞かせるようにしている。これは結構おすすめだ。外の世界なんて存在しない、屋外のアクティビティなんかない、家猫みたいに家の中だけで過ごすのが普通なんだ、と自分で自分を騙すわけだ。今重要なのはとりあえず健康でいることなのだから。これ以上病人が増えてお医者さんに迷惑をかけてはならない。

まあそれでもたまに思い出してしまうのは去年の今頃東京で花見をしたことだ。

来年ああいうことがまたできればいいのになと思う。

ドイツでは少なくとも復活祭の最終日までは外出規制だと言われている。状況次第では延びることも考えられる。まだ誰にもわからない。

ただ、だんだん平常運転への復帰について考えだす方向にはなっているらしい。

人間希望があってこそなんとか平常心を保っていられると思うので、明るい未来について考えるのは良いような気がする。たとえいつその日になるかわからなくても、だ。株価も上がるだろうし、仮想通貨だって上がる(ような気がする)。

ひとつだけ怖いのは、希望で現状を塗り替えてしまうこと。

また愚痴になっちゃうけどうちの義母はこの時期だから絶対にトマトの苗を植えなければならないと思っている。

しかし今やみんなが外出を出来るだけ控えるようにしているために通販では品切れ状態だ。

それでも諦め切れないのが彼女。庭のことになるといつもムキになるんだけど、外出規制に慣れて緊張感がなくなってきたせいか、ことさらムキになっている。

そのこと自体にも一冊本が書けるくらい愚痴があるが、ここで書きたいのは現状を勝手に塗り替えてはいけないということ。

希望が出てきたからと言って現状がすぐに変わるわけじゃないのだ。希望を持っていいだけの話である。もちろんそれだけでも十分明るい話題ではあるが、まだ規制解除になるわけじゃない。

公式な規制の前から高齢者だということで外出を控え続けてきたので、今の生活スタイルが1ヶ月越えしてしまい緊張感を忘れてきた上、ここへ来て規制解除の話が出始めるともう心は解禁みたいな感じなのだろう。

でもまだ終わっていないのだ。例えはよろしくないが、ゾンビ映画によくあるみたいに、せっかく気をつけてきても最後の瞬間に何処かから現れたゾンビにガブリとやられたり、実は前に噛まれたところが今になってみたいな残念なパターンが大いに起こりうるのである。ここまで無事で来たって来週彼女が感染しないという保証はない。私たちが外へ買い物に出たり彼女の常用薬のために医者で処方箋をもらって薬局に行ったりするのだから、たとえそれが週に一度であろうと、感染してしまえばうつる。

最初の頃ならまだ医療機関が普通に機能していたけれど、今や物資の不足や医療従事者の感染などでうまく機能していないところが多いと聞いている。にもかかわらず、今彼女が心配しているのは庭の芝生が伸び過ぎないか(誰も来ないから見栄を張る必要はない)、温室に野菜を植えなければならない(スーパーで買える)、風見鶏を立てておかないと(風向きなんかその辺の木の枝を見ればわかる)、の3本立て。これで自分は年寄りだから物を知っているとか冷静だとかドヤ顔をされるとホント辛い。

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