きぬかつぎ

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小説の感想・丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。6

相も変わらず深夜に読んでしまった6巻目。

今回もたっぷり震えあがらせてもらった。

関係ないけどそういう状況になると必ずと言っていいほどトイレに行きたくなるのは一体どういうことであろうか。そしてそういう時に限って夜中に家の中であちこちうろついている猫たちが1匹も見当たらないのは。

何にせよ、ちょっとネタバレありです。

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不動産会社から独立して活動始めた第六リサーチ。

澪は以前として怖いながらも、自分の能力と役割を自覚してきていて、何とか第六の役に立たせようとしていた。

適材適所、という言葉があんまり活かされないことも多い中、日本においてプロがプロ意識を持ってプロらしく活躍する姿は貴重だよなあ、などと妙に現実的な感想も湧いてしまう。

でもまずはオフィスのお引っ越しから、というわけで最初はオフィスの怖い話であった。

結果的には何だーそうだったのか、という話だったのだけど、そこに至るまでが怖い。古いとはいえオフィスビルという、今の私にはごく身近な環境での静かな恐怖感はなかなかぐっと来るものがあった。私だったら階段でも怖くて避けてたと思う。

じゃあ新しい建物ならいいのか?というのが次のお話。

全然良くない、というのが正しい答えである。新しい建物でも古い事件が後を引きずっていたら同じことだ。

この話では本来ならいつも通り幽霊と対峙する後半が怖いはずなんだけど、私には1泊目の翌朝の方がギャーっとなった。こういうのは怖い。見たくないものである。でも最後は割と現実的なオチというか、次郎さんが取った措置が現実的で大人だな?と思った。

その次はこのシリーズのみならず他のホラー小説でも読んだことのない、ちょっと毛色の違う、なかなか興味深いお話だった。最初読んでいくと澪だけでなく読者である私も不思議に思ってしまう。これはどうやったらこうなるのか?そしてどうしたら解決するのか?想像がつかない。原因と解決方法は読者の視野外にあるので思いもつかなく、次郎さんが手際良く片付けてくれた。解決方法自体はオカルト公務員の桔梗姫塚のおばさまの登場回をちょっと連想させてくれて私好みだなと思った。

最後のお話は私個人的に名付けて人情回。伊原さんのイメージが180度変わってしまうお話であった。そこまでベタなキャラにせんでもいいのでは?とも思ってしまうが、こういう面を描くことで、この人がこの先シリーズでもっと活躍するための布石にしたのかなと想像。そしてその後におまけエピソードで付いてるお話を読むと伊原さんのことがほとんど全部わかってしまう?ようになっている。

そのせいか今回は高木さんの出番が少なくて個人的にはかなり残念であった。

 

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