きぬかつぎ

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マンガの感想・月城奏人の心得 紅葉狩り・後編

前編をいつ読んだったか調べてみたら何と9月であった。2ヶ月で(サイトの更新が)完結した紅葉狩りである。

ちょっとネタバレありです。

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(紅葉の写真を探したけど考えてみたらタグなどつけていないのでそう簡単に見つかるわけがなかった)

紅葉狩りのストーリーを題材にしているから、きっと女が鬼なんだろうな、と思っていたのだが、後編の中頃でそれが間違いだと分かった。

詳しくないので調べてみると、この鬼は本来は男なのだそうだが、女として演じられることが多いらしい。つまり男鬼が美女に化けるのが本来で、女鬼が美女に化けるというのが今よく演じられている、ということらしい。

そこまで追求しなくてもいいのだろうけど、もし本来の方の設定を取るとすれば、このマンガの方でもかなりしっくり来る結末だと思った。ちなみに犯人は当然ながら今まで出てきた人物である。

欲を言えば、これは隅田川の時も思ったのだけど、事件の解決がちょっと早足気味だったような感じはした。読者側に証拠とか裏事情とかがあまりよく提示されないままに奏人が犯人を分かってしまう。私がトロいせいかもしれないけど。

話が逸れたが、原因が原因だけに、ダークなお話で後味もかなり悪い。こういうことはきっと現実にもあると思うだけに、知るのは辛いな、という類のお話である。紅葉狩りのお話の大元、つまりなぜ鬼が美女に化けて出てきたか、ということとこのマンガの方のお話は関係ない。そこはいささか残念だが、隅田川もそうだったし、能の話を全部移し替えるのは相当難しそうなので、ここまで楽しめれば十分だろうとも思う。

これからルイとその家族はどういう風になるのであろうか。今や準主役なので出てきそうな感じがする。そうだとすれば、もうちょっとダークなトーンが続きそうだ。