きぬかつぎ

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小説の感想・0能者ミナト

土曜の夜、ふて寝する前に読んだのが前から気になっていたタイトルのこの作品だった。

タイトルからするとハンパな怪奇現象モノかな?などと思ったりしていたが、シリーズもどんどん長くなって、こんなに続くということは面白いのかもしれない、と思うようになっていた。

郷内さんの一作目も読んだことだし、じゃあ次行ってみるかと手に取った。

ちょっとネタバレありです。

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ここのところ読んでいたのが青年x青年、少年x青年、青年xほぼ同年代の女性、というようなコンビが多かったので、今回はちょっと趣向が違って新鮮だったと思う。

タイトルに出てくるミナトはヤンデレな青年で、出会うのは少年と少女各1名。

どちらも異能者だけどミナトだけは能力なし。

だけど並外れた頭脳がそれをカバーしているらしい。過去にはどうやら少年と少女の関係者たち各1名と一緒に動いていたこともあったようで、当時の実績が彼の実力を保証するもののようだ。

最初の話は怪異の正体と性質とこうなったという経緯がイマイチわかりにくかったけれど、最初に怪異を呼び起こす経緯はいかにもいかにも、ながら雰囲気たっぷりで良かったし、逆にそれを解決した方法というのが斬新で面白かった。

なんだこいつ、と思いながらも惹かれるものがあって少年と少女は彼のところに転がり込み、次の事件へ。

次の事件は作中でミナトも言ってるけどモロに横溝正史的な世界で、私の好みである。情景を想像すると結構えぐいけれど、恐怖ものというよりはドラマで、突如何か起こってウギャアということにはならなかった。一冊の作品の一部分でありながら、一応推理の枠もあり、出てくる人たちが皆疑わしい。それを少しずつ調べながら推理して、最後には謎も解くし3人で長年のしがらみも解放できたのであった。その辺は王道的な展開で安心して読めた。

ただ、この一冊だけで見るとミナトは表紙絵だけで超イケメンで作品中ではヤンデレで柄が悪くて小汚そうであまり近寄りたくない感じなのがちょっと残念。頭が切れるのはもちろんよくわかったのだけど、できれば表紙絵の美しさをもうちょっと作品中で感じられればなあ、などとおばさん的には思った。中身あっての挿絵なので本末転倒になってしまうけど。

先ほども予想していた通り、イーサリアムの売りオファーの方は上がった後なで少し下がり気味になってきていて待ち状態なので、待っている間に次作も読んじゃおうかな、と思っている。