きぬかつぎ

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マンガの感想・地獄くらやみ花もなき (1)

発売日をよく見ていなかった(とにかく買うべしと思っていた)ので、今日配信されたとメールが来てちょっと驚いた。

でももちろんすぐに読んでしまった。

ちょっとネタバレありです。

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ダメダメ人間の青年がある時コンビニのくじ引き券をもらって開いてみたら、そこに書いてあったのは「地獄」の二文字だった。

そこから青年の運命は奇妙な方向に捻れ、気がついたらとある屋敷に誘い込まれてしまう。

屋敷で迎えてくれたのが、百花の王の姿をした美少年だった。

なんの取り柄もないはずだった青年も、この美少年には能力を買われて居候させてもらえることになる。

もちろんその代償として、地獄と人間界の狭間を行くようになるのだけれど。

地獄の側から見た人間の本性が妖怪の姿になって映り、人間界側から見るとその人は映った妖怪に相応した行いや生き方をしている。すなわち罪人であるということになる。

マンガ喫茶とかコンビニとか、現実の生活の中から始まるストーリーが、あっという間に非日常の空間に場所を移して底暗い世界になる。この展開が面白いと原作小説でも思っていたのだが、マンガでもかなり忠実に再現できているなと思った。

マンガとしては小説の表紙絵のような朧げで妖艶な感じではなく割とシャープな絵柄なのは最初はちょっと気になったけれど。

でも、次々出てくる妖怪やキャラの濃い登場人物達がとても綺麗に描けているので、マンガ版としてはこれでいいのかもしれない。この作品の中枢にあるのが青児の目に映る妖怪の姿なのだから、それがどんなものなのかをうまく表現することがかなり重要なのである。絵柄が濃いだけに、どの妖怪も多分古典の絵を今風のタッチで再現した感じで細部まで綺麗に描かレていて強い印象を与えてくれる。ちなみに今回は動物も出てくるのだけど、これも綺麗だ。

人間かどうかは別として、人型の登場人物の中で絵が特にいいなと思ったのは紅子さん。青児もキャラが引き立つ?絵になっている。

肝心の皓くんは、私の中のイメージではもうちょっと幼さが残っていたら良かったかな、とは思う。発言は大人びているのだけどあくまで美少年設定のはずなのだ。

でもにやあ、と笑うところはすごくいい雰囲気が出ていて気に入った。

1巻目は鵺編の前半までで終わった。

もちろん、続きも買う。これから出てくるはずの妖怪たち(イコール人間だけど)がどんな風に演出されるのか、見たい。

 

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