きぬかつぎ

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8週間も待たされたら季節が変わっちゃう

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どこにでも凝り性の人というのはいるらしい。

北独の方にあるハーブ農園の通販サイトで日本のハーブ類というカテゴリがあって何種類もの植物の種や苗などが売られているのを見つけて驚いた。

大葉、アサツキ、ラッキョウ、山椒、三つ葉など。なんと山葵もある。

スシがどこのスーパーにも売られるようになってだいぶ経つが、小さい袋入りの山葵が本当はああいう植物だということを一体どれくらいの人が知っているのだろう。そして山葵漬けの美味しさを知っている人が一体どれくらいいるのだろう。

などと言っていたら夫が、それは昭和時代の感覚じゃないの?ここ数年あれだけ日本を訪れる外国人が増えたんだから日本人しか知らない食べ物とかそうそうないんじゃないの?とコメントしてくれた。そうかもしれない。山椒も山葵漬けもそんなに極秘なものではないし、ラッキョウに至ってはカレーを注文したら勝手に付いてきちゃうことも多い。

来日経験者が増えたせいなのか、それとも単に珍しい物好きがいるのか分からないが、とにかくその農園で採算が取れる程度には売れていると見える。

素直に喜んで故郷の味を楽しませてもらおうと思った。送料は種で3百円程度、苗あるいは根で7百円程度だし、サイトにも各植物について自分たちの体験談なども交えて説明がたくさん書かれていてディープなところも気に入った。こういう凝り性丸出しの業者さんは好きだ。

それで私が選んだのが大葉とミョウガだ。

大葉だと肉類とよく合うのでドイツで普通に食べる食材で合わせやすい。バター大好きおばさんの私なら、刻んだ大葉とバターでご飯が何倍も食べられちゃうし、スパゲティにのせたっていける。そして何より好きなハーブの一つである。

ミョウガは実は私の乏しいレパートリーではナスと一緒に味噌汁、冷奴の薬味、冷麦の薬味、そしてうちの祖母がよく作ってくれた「だし」に入れる。焼きもろこし、ナス、きゅうりとともに刻んだミョウガを入れるととても美味しいのだ。思いっきり日本食にしか使えない食材である(私の中では)。でも年々夏の暑さがここドイツでも厳しくなっているので、夏バテ対策にミョウガがあったらいいなあと思う。

で、早速意気込んで注文しようとしたら、サイトの注意書きが目に入った。昨今の事情(コロナ)により注文が通常よりはるかに多くなっているため発送までに8−10週間かかります、とあった。

8週間と言ったらまるまる2ヶ月である。季節が変わっちゃうレベルの遅延だ。

それでもまだ行けるかもしれないが、2ヶ月後に何がどうなっているか分からない。まだ在宅勤務かもしれないし、もう終わっているかもしれない。

というわけで今年は諦めることにした。

代わりに今週のスーパーの注文に大根を加えた。大根の根元のところを水栽培で復活させ、大根の葉を収穫することを目標とする。大葉も好きだけど私は大根の葉を炒めたものが好きである。こちらで手に入る大根は葉がついていないことが多い。急に湧いてきた栽培欲?を活用して大根の葉が食べられればちょっとは気が済むと思う。