きぬかつぎ

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儂等はもっと過酷な時代を生き延びた、と言うにもかかわらず

私の父も義母も戦中に子供あるいは多感な少年少女時代を過ごした世代である。

それなりに苦労があったと何十年も聞き続けている。今だってよく話している。

それはそうに違いないと思う。

にもかかわらず、だからこそ解せないのが今の状況における義母の反応だ。

彼女はこの状況においてもまだ、スーパーに自分で買い物に行きたい、明日月曜には自分で銀行に行って送金したい、現金をおろしたい、と言って周りを当惑させている。

何度も書くが、一人暮らしならばもちろんやむを得ないことだ。

しかし周りに子供たちがいて、買い物だろうが現金の調達だろうが全く問題がないのだ。

知り合いなどは遠くに一人暮らしの親がいる人も少なくないからこういう時は良いね、と言うくらいなのに。

戦中の酷い状況を切り抜けることに比べたら、数週間家から出ないで過ごすことなど何ともないはず。まだそこまでは言っていないけれど、もし断固として出かけないといかん、と言うならばそのことを口にすることもやむを得ないかな、と思い始めている。あの時代に比べたら家にいることくらい何でもないじゃないですか、と。ごく近所のご老人仲間と会うことまでは禁じていない。みんなそれぞれ似たような家庭家族状況だから悠々自適で街まで行く必要はない人たちである。その人たちとは今まで通り時々行き来している。全く孤立しているわけではないのだ。

それなのに、である。

高血圧の薬をいつも子供たちに買いに行かせているのは誰なのか。医者の薬がなければ普通の生活もままならないのに、それはそれ、これはこれ、ということらしい。

こっちが万が一自覚症状のないタイプである可能性を考え、なるべくそばに寄らないようにしたり、外で会話したり、こちらも不要な外出は避けるようにしたり、弱い立場の彼女のために努力しているのに、だ。

歳を取ると子供に還るから仕方ないか、とでも言ってやれば良いのか。

今回の外出騒動については、一応周囲の家族内で示し合わせ送金も現金の調達も彼女なしで周りがやることにした。そのためにわざわざ子供たちが銀行で委任権を登録したりしているのだ。

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