きぬかつぎ

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ラノベの感想・私はご都合主義な解決担当の王女である 3

コインにばかり夢中になっているようだが、合間に?読むものは読んでいる。

昨日配信になったばかりの新刊もちゃんと読み終えた。

ちょっとネタバレありです。

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クリフォードの胸で思いっきり泣いた王女オクタヴィアは、身支度をし直してもう一度宴の場に戻った。

そこでもう一度例の青年と邂逅するのだが、今度は思わぬ事件が起きて、それが一段落したと思ったら次にはさらに別の事件が起きてしまう。

 

オクタヴィアが本当に知らずに青年との密談の場所に選んだところで一つ目の事件が起き、それはものすごく大事にならないうちになんとかなったのだけれど、その後の事件では自分から決断して訪れた部屋で乱闘にどっぷり巻き込まれてしまう。2つの事件はオクタヴィアのよく知る人物によって意図的に引き起こされたらしいこともわかり、利用するつもりで近づいた青年が実は単なる引きこもり貴族ではなくてこれまた水面下で別の人物のために活動し、普通彼の立場なら知り得ないはずのことも知っていたことがわかった。いったい彼がなぜ知っていて、いったいどんな事情があるのかはまだまだ秘密のままである。

この巻ではシル様の過去やクリフォードの素性が明らかになるのかなあと思ったが、どちらかというと王家の過去の方がもっと明らかになった。

公式に伝わっている歴史と実際の話は全く違っているらしい。オクタヴィアが転生してきたのとは別に、この世界の人物たちの何人かはこの世界で何らかの違和感を覚えていて、他の何人かは前世なのか先祖から伝わっている何かなのかわからないが、今の本人とは違う人物の記憶のようなものを持っていたりするらしい。

前者の方は前巻でデレクがオクタヴィアの兄セリウスについて気付いているようだし、後者はオクタヴィアの弟アレクがそのようである。そしてオクタヴィアの父も平凡な?王ではなくて何か裏があるようである。

オクタヴィアは何度か危機には見舞われたのだけれど、クリフォードがいるせいで読む方もあまりドキドキせずどんと構えていられた。

相変わらず強い。そして相変わらずイケメンである。

かれの本来の目的、というか素性はまだまだ見えてこないが、少なくとも彼が無意識のうちにオクタヴィアに惹かれているところがまたキュンとしてなかなかよろしい。心なしかどんどん大胆になってきているような気がする。エスコートするのに手を取るのは当然だけど、いくら道が悪いからって過剰にお姫様抱っこをしたがっていないか?と思ったり、いくらお姫様だからってちょっと怪我したくらいでものすごく真剣になったり。でもそういう場面ががしつこすぎず、さりげなくあちらこちらに散りばめられているところがこれまた好感が持てる。

このままで行くと、近いうちにお披露目をしなければならない噂の恋人役にクリフォードが即採用されることもあり得る気がする。何しろどんどん仲が睦まじくなっているし、お互いにそれが嫌ではないわけだし、オクタヴィアの方はまだ無意識のようだけど、クリフォードは意識してきているようだし。本来は誤解やすれ違いなど紆余曲折を経て結ばれるのがこの手のお話の王道だけれど、たまにはそういうのなしでささっと結ばれてもいいんじゃないかな?とせっかちなおばさんは思うのであった。