きぬかつぎ

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ラノベの感想・腐男子先生!!!!!

マンガを少し試し読みして気に入ったので原作のラノベを3冊一気買いした。

こういうとき大人でよかったなとつくづく思う。

ちょっとネタバレありです。

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オタクのカップルの恋愛ものは最近少し読んできたのだけど、まだ完結していない作品ばかりだった。

この作品は3巻で完結と書いてあったので続きがどうなるんだろう、とヤキモキして待つことがなくていいな、と思って一気に買った。

昨夜遅くに読み始めたら止まらなくなり、結局深夜までかかって全部読んだ。

前に読んだ、まだ完結していない作品たちに比べてこちらは現役女子高生と現役教師の話で、オーエルとリーマンという組み合わせよりもっと初々しい感じだろう、と思ったら、意外や意外、女子高生の方が遥かに冷静なのだった。

先生の方はオタクの世界ではかなり大人げないけれど、リアルではやっぱり大人だ。基本的には教師としての義務と責任を果たしモラルを守ることを常に念頭に置いている。でも、最後にはやっぱり神絵師の少女に男として惹かれてしまうのが次第にダダ漏れになってしまう。すごい言い訳しながら隠れて実質デートしたりするのがスリルがあって面白いし何だか可愛い。

女子高生は時々感情が出てしまうけれど、全体的にはいつも理性的でいようとして、だからこそ年上の先生とうまく釣り合っているのかなと思った。自分が先生に惹かれていると気付いてからも、年齢と立場の違いからきっとうまくいかない日が来るに決まっている、と達観しようとする場面はちょっと切ない。そんなことをしても気持ちは止められないからだ。しかもこちらはまだ高校生である。受験という大きな難関まで控えているのだ。毎日の義務と責任を果たせばとりあえず済む社会人とはちょっと違うんである。

釣り合うといえば、物語前半では割と女子高生が悩み、後半では先生の方が悩んで、と葛藤が平等に(?)紹介されていたと感じがする。そして作品中には二人にそれぞれ本来ならば釣り合うはずの年齢と立場の相手が現れる。普通だったらこんな相手と付き合って幸せになるはず、という相手なのでお互いに気が気ではなくなる。鉢合わせの場面はなかなか緊張感があって良かった。

そしてお待ちかねの結末は、描写がちょっとインダイレクトだったけれど私の願っていたような結果になっていた。ありがたいことである。先生は過去に失敗があったというけれど、それはきっとお互いの求めるものが合わなかったに過ぎないみたいだ。お守りに何かを忍ばせたり、手帳に何かを忍ばせたりしてプレゼントするなどめちゃめちゃマメである。そのどちらも一見何でもないようでいて、実はものすごく深い意味が込められていたりして読んでいてキュンキュンした。

もっと引っ張っていろんなドタバタがあったら3冊以上になっていただろうけど、あんまり引っ張るとおばさんは前の話を忘れるし、緊張感がなくなったりするからこの話はこれでいい塩梅だったと思う。

最後の話だけだったらその後のことはちらっとしか見えなくて、あとはご想像にお任せします、という感じなのだけど、その後におまけ的に付いているショートストーリーでネタバレされている。私も含めた多分大体の人が想像する通りになっていて、これまたキュンとする一瞬の話である。

もう一回読み返しちゃおう、と思う。