きぬかつぎ

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ラノベの感想・薬屋のひとりごと 3〜8

今日もまた深夜まで読んでしまった。

マンガを買って既刊分読んでしまい、その後はぼちぼち原作を読んでいくかあ、などと思っていたのだが、週末にふと大人げなくなり、既刊分全部買って読んでしまった。この前2巻を読んで感想を書いたので、今回は3巻から8巻までである。

今さっき8巻目を読み終えて午前2時過ぎである。昨夜は午前4時半過ぎまで読んでいた。読み始めたのも遅い時間だったとはいえ、また我を忘れてしまった。

ちょっとネタバレありです。

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花街の薬屋から人さらい経由で後宮の下女、妃の毒見、花街に戻ってから身請けされて直付き下女、医官付き官女と運命に流されまくっている猫猫の日々。

それだけでも十分波乱万丈で追っていくのが大変だけど、実は猫猫は国の重要人物である大尉の一人娘であり、物語の途中から両親が正式に結婚したので妾の子ではなく正式な息女ということにもなっている。さらに毎回推理とかサスペンスの題材も入ってくるので8冊分まででもボリュームたっぷりだと感じた。豪華な松花堂弁当のようである。

さらわれた時は後宮で年季が明けるまで勤め上げられればそれで終わりだったはずだが、余計なひとりごとを言ってしまったのを聞かれた瞬間から、この大舞台に引き上げられたらしい。

ひとりごと言う時は気をつけなきゃなあ、などと思うけど、でもその代わりにイケメンを超えた美形に愛されるようになったんだからいいじゃん、とも思ってしまうおばさんであった(多分これは大体の読者が思っていると思う)。

しかし当の猫猫は、自分の興味のあることでは簡単に理性を失ってしまうくせに、恋愛となると周りが呆れるくらいの低温を保っている。かなり歪んでいる。でも生い立ちを考えると仕方がないようだし、何しろあの父の血をかなり色濃く受け継いでいるようだから遺伝かもしれない。

父といえば、恋愛のもどかしい進展も味わい深いが実の家族内の奇妙なやりとりもまたかなり楽しい。冷静に考えると、羅漢の地位と権力、資産からいえば娘を下女とか官女になんかさせておかないでお嬢様として引き取るなりすればいいものを、なんか知らないがそばに行って可愛がろうとばかりしている羅漢はやっぱり変である。もっとも、こうなった経緯上無理強いはしたくないと思うくらいの理性と情はあるのだろう。それに壬氏に喝を入れた瞬間はもしや娘のことも頭にあったのでは、と言う気もする。そして養子ではあるが実際にも血の繋がった甥である羅半も、普段はシュタゲのダルみたいな感じなのに本当は猫猫のことをよくわかっているらしい。お互いに自分のことしか見ていないようで実はよくわかりあっているような、でも別に助け合っているわけでもないような、しかしいざとなればさりげなく助けているようなところがまた好感が持てる。

逆に最初は単純そうに見えてだんだんそうでなくなってきたのが上の方々である。主上は想い人のことをまだ引いているみたいだし、玉葉は一見ただの良い人みたいで実はそうでないみたいだし、かといってそれは自分自身の過去との闘いみたいな感じもするし、百戦錬磨の安氏もまだ健在だから今後また出てくるかもしれない。

そして肝心の壬氏といえば、単なるナイーブな王子様かと思っていたら8巻目でナイーブを拗らせてすごくやらかしてしまい、えっこれからどうするんという感じである。下手をすれば全てを取り上げられて9巻目では路上の藻屑から再スタートしそうな気もするし(こういうストーリーにはよくあるやつ)、あるいは主上が一晩考えてなんか難題を解決せよ、と言い出すかもしれない(竹取物語の求婚の条件みたいなやつ)、あるいは全然違って外からの脅威でそれどこじゃなくなるかもしれない。しかしこれ以上伸ばすと本当に猫猫との溝が埋まらなくなってしまうだろうから、ここで行動を起こしたのは適切だったと思う。

あとは猫猫が観念するだけであろう。それが一番難しそうだけれど。

続きが早くでないかなあと思う午前3時である。