きぬかつぎ

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マンガの感想・百鬼夜行抄 28

なんと当日まで新刊が出るのを知らなかった、というかわかっていなかった私。

続刊が出ましたー、というお知らせを見て速攻で購入したのだった。

ちょっとネタバレありです。

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早いもので28巻になり、律は留年して卒業できないわ司はもう就職しちゃうわ。

そろそろ律にも運命の人が現れれてあげればいいのに、と最近の続刊が出るたびに親戚のおばさんになっている私である。

でも今回も浮いた話は出なかった・・そういう作品じゃないから当然なのか。

各話はそろそろ朝倉水脈の一族の過去の核心に近づきつつある、といったところだった。

最初のお話は前にちょろっと出た、開の同僚の話だった。生きている人とそうでない人、生きているものとそうでないもの、本当に見えているものとそうでないもの、があちこちで交差する。同僚は自分が見えないと最初は信じていたらしいが、実はそうじゃなかったらしくて最後には開に助けてもらうことに。よくわからなかったのは彼のお母さんと鈴をつけた女性のこと。4回くらい読んでみたんだけどやっぱりわからないのでまたそのうち読み返してみようと思う。

その次は長い昏睡状態から覚めた後寺に避難?して修行している律から始まり、偶然にも開に思わぬ話が浮上するという急展開の話。

これまた幻想の霧が濃い話で、最初は出てくる人がみんな現実味があるのだけど、あとになってある人が実はあっち側から出てきていたことは判明。悲しい歴史に引きずられる一族のほぼ最後の話であった。このシリーズでよく出てくる、何百年か前に起こった悲惨な出来事が一族をまさに末代まで呪い続けるというもの。ほぼ、というのは最終的な決着はつかないままで話が終わったからである。多分もう何も起こらないだろうけど・・というのだが、多分それは終わらない悲劇へのフラグなのだろうと思った。でも開はすんでのところで命拾い?をした。正直いうといくら事情があっても流石にそれはないでしょ、と私も思ったのでこの結末に納得。

三つ目の話は本当は良からぬ事態を引き起こす結果になってしまったのだが、話自体はすごく笑えた。今回の巻の中で、いやここ最近でも一番面白かった。

前話の悲劇の時に開にふりかかった出来事のせいで、兄弟姉妹が実家にほぼ全員集合してしまう。前々からよく青嵐にも言われていたように、飯島蝸牛の子供達が実家に集まるとロクなことにならない。父親の霊力が各子供たちに分散していて、実家に集まるとまた大きな力になってしまうようなことらしい。

本当ならば手を触れるどころか入るのも躊躇われる場所にみんなで行ったり、引き出しを開けて何かを出してしまったり。みんなで何とかをすれば怖くない、とうセリフが昔々流行ったがそんな感じで夜になっていくのだった。

そしてそれに輪をかけたのが思い出話だった。てっきり環と開だけの秘密だとばかり思っていたあるモノが、実は兄弟姉妹ほぼ全員が知っていたばかりかみんなそれぞれ勝手に何かだと思って餌付けまでしていたという。給食の残り、なんて覚が打ち明けたのもすごくおかしかったし、犬なのか猫なのかで兄弟姉妹がもめるなんていう普通ならありえない話も笑えた。

そして最後には長男の覚がもうかなりの規模になっていた何かをまとめ、長女の斐が具現化し、本来の大物であった家の外のものをあっさり退治してしまう。その過程がすごく面白かった。

ただ、このことが原因で朝倉一族のある人の蜘蛛の糸が切れてしまったらしい(まだわからない)こともわかった。

そして最後の話で、その退治されてしまったものがどうやらまだ明かされていない朝倉家の過去に由来するようだ、ということもわかった。最初に別の巻でその過去の事件話が出た時にこれは何かのフラグだな、とは思ったのだけど、こう来たかー、という感じである。どうやらその過去の事件はただの事件ではなかったようである。まあ飯島蝸牛がああだったくらいだから姉もちょっとくらいのことができて当然なのだろうけど。

そしてふと気づいてみれば、さっきの兄弟姉妹大集合で欠席した一人の症状、名前と朝倉一族の何人かの症状と名前に関連がありそうな感じである。考えすぎかもしれないが、前に出てきた、子供の時に亡くなった蝸牛の子供の名前や亡くなった原因にも関係があるのだろうか?と思えなくもない。

次巻で真相がすっかり明らかになるのであろうか?そして律の卒業は?院生になるらしいので就職の心配は要らないが卒業はしないといけない。就職した司はホッシーと結婚するのか?それとも飯島家の絆を取るのか?おばさんはついつい余計な心配までしてしまう。