きぬかつぎ

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自分なりのこれまでのまとめ・ダーク第1〜2期

どこか中部ドイツのぱっとしない小さな町を舞台に、毎回同じ何軒かの家と学校、病院、発電所などいくつかのスポットだけが出て来るドラマ。

その代わり時代だけがいくつも変わり、合わせて登場人物の外見も変わる。なので名前とかいくつかの特徴を把握しない限り誰が過去あるいは将来の誰か、ということが一見してわからない。

当然ながらどの時代にも独自の人間模様があり、それが当然未来にも影響していて尚更話がこんがらかっている。

次期が来るまでに自分なりに各登場人物と役割をまとめてみる。

勘違いもあるかもしれないけど基本的には長文ネタバレです。

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ミッケル・2019年に森の中で突如行方不明になった少年。当時はまだ小学校高学年くらいに見える(私には)。実は森の中にある洞窟に誘導されて33年前の1986年にタイムスリップして戻れなくなってしまう。ミッケルというのは愛称で本名はミヒャエルであるが、過去の時代にそれを知る人はいないため、その時代で世話になった看護婦イネスの養子ミヒャエルになり、大人になってハンナという女性と結婚してヨナスという男の子の父親になる。そして2019年、自分自身であるミッケルが行方不明になる少し前に自殺する。

 

イネス・1986年には現役の看護婦で、保護されたミッケルの世話をするうちに愛情が芽生えて養子にする。最初は知らなかったがそのうちミッケルが未来から来た少年であったことを知りつつも、そのことはミッケルが生きている間は誰にも言わなかった。

 

ハンナ・ミッケルが1986年で通い始めた学校に通っていた少女。大人になって彼と結婚し男の子ヨナスを出産。子供の頃からじぶんのほしいものはどんな手段を使っても手に入れるタイプで、ミッケルと結婚したのに前から好きだった同じ学校でかつミッケルの父親ウルリッヒと(そうとは知らずに)不倫関係を持ったり、後ろ暗い事情で突如町に現れ他人の身分証明書を不正使用して住み着き発電所の所長として成功したアレクサンダーを強請って毎月金を振り込ませたりした。第2期ではタイムマシンのことを知り、未来から来ていた息子ヨナスの持っていたタイムマシンを奪って66年前の1953年に逃亡した。そこで不倫相手のウルリッヒを見つけるが、彼が彼女に一度も愛していると言っていないことを確認して彼の救出を拒否。自分のいたところでは全てを失ったからここでやり直す、と言って1953年に残った。

 

ウルリッヒ・1986年にはよくあるちょっと不良なティーンエイジャーだったが、大人になってからは刑事になり、同じ学校だったカタリナと結婚、マグヌス、マータ、ミッケルの3人の子供の父親になる。しかし隙をみてはハンナと密会して不倫関係を続けていた。ミッケルが行方不明になってから必死で探すうちに洞窟を通って過去に行ってしまうが、そこはミッケルがたどり着いた33年前の1986年ではなくてさらに33年前の1953年であった。そこで少年ヘルゲを窮地から救ったにも関わらず他の少年たちを殺害した疑いをかけられ逮捕されてしまう。当時の警察の拷問にあっても屈しなかったが言動が理解不能なため施設に移されそこで生き延びていた。ミッケルが行方不明になった後のある日、同僚の警察官であるシャーロッテが過去の新聞記事を見ていて1953年の逮捕時の写真を発見する。そこには紛れもなくウルリッヒが写っていた。

 

カタリナ・ウルリッヒの妻。昔はかなりやんちゃだったが今は学校の校長をしている。ハンナを子供の頃子分的に扱っていた。最初はタイムマシンを信じる気になれなかったが、息子ミッケルが行方不明になり、時間旅行の話を聞いて自分が子供の時同じ学校にいたことを写真で確認してからはタイムマシンを使ってなんとかミッケルを取り戻そうとする。息子ミッケルがハンナの夫ミヒャエルになったので、事実上ハンナの姑にあたり、その息子ヨナスの祖母にあたる。

 

マグヌス・ミッケルの兄。ヨナスの友人。弟ミッケルがヨナスの父親なので、マグヌスは友人ヨナスの叔父にあたる。未来の時代のある場所でも何かの役目を負っている。同じ学校のフランツィスカのことが好きで、未来でも一緒に行動しているところを見るとその後結婚したかパートナーになっている様子。

 

マータ・ミッケルの姉。ヨナスと恋仲になったが、弟ミッケルがヨナスの父親なので、マータは恋人ヨナスの叔母にあたる。未来の墓場に墓標があり、未来の時代には登場しない。ヨナスが未来まで生き延びて過去にいろいろ干渉しようとした背景のひとつに、マータが自分の目の前で未来の自分に撃たれて亡くなったことに対する憎悪感があるらしい。

 

フランツィスカ・マータやマグヌスと同じ学校の女子学生。最初はマグヌスのことをなんとも思っていなかったようだが未来では結ばれているらしい。父親はペーターといい、ウルリッヒが過去で救ったヘルゲの息子である。母親はシャーロッテといい、ウルリッヒの同僚の警察官。エリーザベトという妹がいる。

 

ペーター・警察官のシャーロッテの夫であり、フランツィスカとエリーザベトという二人の娘の父親だが、夫婦仲は冷めており同じ町のある道端で商いをする男娼の所に通っている。ウルリッヒが過去の時代で救ったヘルゲの息子。

 

シャーロッテ・警察官でミッケルその他最近行方不明になた人たちの創作に苦戦している。同僚ウルリッヒが過去の時代で救ったヘルゲの息子であるとともに、自分自身は実の両親が誰なのかわからないまま、時計屋のタンホイザーという男に育てられた。同僚ウルリッヒを偶然過去の新聞記事で発見してからタイムマシンの存在や時間旅行について信じるようになり、その後訪れた謎の男ノアから、ノアが父親であると聞かされた。母親については明かされなかったが母親もシャーロッテのことを愛している、と現在形で言われ、母親が自分と同じ時代に今も生きていると喜ぶ。しかしその後別の場所でシャーロッテの実の両親というのはノアとそしてシャーロッテ自身の娘エリーザベトであることが判明している。エリーザベトがどこの時代に行ってノアと結ばれたのかはまだわからない。シャーロッテ自身はまだ自分が自分の母親の母親であることを知らない。

 

エリーザベト・ヘルゲの息子ペーターを父に持ち、警察官のシャーロッテを母に持つ。未来の時代では厳しい時代を生き抜く残り少ない人々を統率して厳しく管理している。詳しい経緯はまだわからないが、謎の男ノアと結ばれ娘シャーロッテを産んでいた。エリーザベトはおそらく自分の母親シャーロッテが自分の産んだ娘シャーロッテであることを知っていると思われる。

 

ノア・1921年に若者として実在した青年。アダムという宗教者らしき男の教義に惹かれて将来発電所が建設される場所の下で洞窟を掘っていた。その後神父の格好をして様々な時代を行き来して様々な人の行動に影響を与える。しかし人々がタイムマシンや時間旅行、そして時々現れるノアという男の存在に気付き始めた後でアダムに騙されていたことに気づき、そのことをアダムに問い詰めた時妹アグネスに撃たれて終わる。

 

ヘルゲ・1921年にはまだ少年で実在したが、ノアに誘拐され彼の作ったタイムマシンの実験台にされる。幸い一命は取り留め、2019年からやって来たウルリッヒに助けられるが、ノアのいいなりになって後の時代の少年たちをタイムマシンの実験台にする手伝いをしたりした。年取ってからそのことを後悔し、過去に戻って自分自身にやめろというが聞き入れられず、やむなく車に乗って過去の自分自身の運転する車に体当たりするが年老いた方の自分だけがそこで一生を終える。

 

アグネス・ノアの妹らしいが詳しい素性は分からない。今のところ1953年の時代に多く登場し、その時代の警察官のエゴン・ティーデマンという男の妻に好かれ恋人的な関係を密に続けながら一人息子とともにティーデマン家に滞在し続ける。最初はアダムのために働くノアと敵対するらしい白い悪魔と呼ばれるクラウディアという老女に付いているように見えたが、ノアがアダムに騙されたといって詰め寄った時、アダムの指示でノアを撃った。

 

エゴン・1953年にすでに若い警察官であり、1986年の時代でも警官であった。2019年には引退していたが、過去のことを悔やんでいたらしい。1953年の時代にウルリッヒを逮捕した。ウルリッヒが犯人であるという確証は実際にはなかったものの、怪しいというだけで逮捕し、思うような自供を引き出せないことで暴力を加えたりもしたがそれでも本当の意味での解決はできなかった。隠居後にその事件を思い出して施設で生きながらえていたウルリッヒを訪ね、ミッケルの写真を見せてしまう。ミッケルの写真を見て茫然自失の状態から目覚めたウルリッヒが、1986年の時代に行って過去に行ってまもないミッケルと再会して一緒に2019年に戻ろうとした時、エゴンが機転を利かせて洞窟へ警官たちを送ったために失敗した。エゴンの家族にはノアの妹と恋仲になった妻と一人娘のクラウディアがいる。エゴンは隠居後重い病を患っており、しかもクラウディアが未来で見た新聞記事によればなくなる日が近かった。しかしその運命を変えようとしたクラウディアと言い争いになった時倒れて頭をぶつけ、そのまま新聞記事通りに亡くなってしまう。

 

クラウディア・警察官エゴンの娘で成人してから発電所所長になる。1986年の時代には一人娘レギーナと暮らしていて、その後突然行方不明になる。未来の時代からアダムの計画を阻止しようとノアと同様にあちこちの時代のいろいろな人の前に現れ影響を与える。中でも重要なのがタイムマシンの制作で、時計職人タンホイザーの店に実物を持って現れ、同じものを作って欲しいと頼む。その後使い方を教えてそれを後から来る若いクラウディア自身に教えてやって欲しいとも頼む。未来の姿は白髪の長髪をなびかせていたことから白い悪魔と呼ばれていた。ノアの妹アグネスや未来のヨナスとともにアダムの計画を阻止すべく活動していたが、ある時ノアに撃たれる。しかしそれはその時代の新聞記事を入手していたため自分でもわかっていたのだった。

 

レギーナ・発電所所長のクラウディアの娘であり、その後を継いで所長になったアレキサンダーの妻。アレキサンダーはある日どこかから逃げてきた様子で現れた青年だったがレギーナと結婚して彼女の姓を名乗ることにした。バルトーシュという息子がいる。2019年に重い病にかかって静養中であったところを過去からやってきた母のクラウディアが訪れ、彼女に連れられてアポカリプス発動直前に防空壕に逃げ込む。

 

アレキサンダー・何か後ろ暗いところのある様子でどこかからやってきた青年。アレキサンダー・コーラーという名前のパスポートを使って本人になりすまし、のちに発電所所長の娘レギーナと結婚してからは彼女の姓を名乗ったので本来の身元が全く分からなくなった。発電所地下に核廃棄物を不法投棄させてコンクリ詰めにしていたが、他の件で彼を怪しいとみた警察官からコンクリを壊して中身を開けるように指示され、開けた時点で中身がアポカリプスの発動の一部となった。

 

アダム・ヨナスの未来の姿。度重なった時間旅行の影響で顔の皮膚が変質しており、首にある昔の傷を見せられるまでは若い時のヨナス本人でもわからなかった。彼の真の意図はまだ不明だが、最初はこの悲劇の運命の絡まりを断ち切るのが目的だと言っていた。その後自分自身が世界の終焉の発端だと言い出す。居るところは未来の時代らしいがはっきりとは分からない。未来のマグヌスとフランツィスカが従っている。暗黒物質を制御して球形を生成する方法を確立しており、それにより33年周期ではなく好きな時代の好きな日付に行かれる。それによりヨナスがマータと再会したところに現れヨナスの目の前でマータを撃った。立ち去るときにこの感情が将来の自分を動かすために必要だったと言った。

 

ヨナス・主人公。2019年には高校生で、マグヌス、マータ、ミッケルと友達でありバルトーシュともマータのことがあるまでは友達だった。森の中でミッケルと一緒だったのがそのうち見失った。過去に行って戻れなくなったミッケルがミヒャエルとして成人してもうけた息子がヨナスなので、ヨナスは友達の息子ということになる。そしてミッケルの姉がマータなので、ヨナスは知らずに実の叔母と恋人同士になったことになるが、後でそれを知り悲しむ。アダムの顔になる原因として、あちこちの時代に行く羽目になる。未来の時代では統率者であるエリーザベトが禁止する、昔の発電所区域に立ち入ってそこにあった未完成の暗黒物質の塊を見たりするが、あとで見つかって危うく首をつられそうになる。指示を出したエリーザベト自身が最後の瞬間に縄を切って助けたので一命は取り留めたが、以後首に跡が残った。マータを目の前で自分の未来の姿であるアダムに撃たれて最後を看取った時、絶望に暮れるヨナスの前に髪型と様子が違うマータが現れ、ついて来いという指示に従い、現在の世界線を離れた模様。そして間も無くそれぞれの時代で暗黒物質の球体化が完了、タイムマシンを発動する者もいれば発電所地下では放射性廃棄物の缶が開けられ、同時に起こったこれらの出来事によりアポカリプスが到来した。

 

他にもまだ何人か役割があった人物もいたけれど、私から見た主な登場人物はだいたいこのくらいである。

特にショックだったのはエリーザベトとシャーロッテの関係。悲劇にもほどがある。シャーロッテは自分が生きる時代には母エリーザベトには絶対に会えず、エリーザベトはその時点では将来自分が生む子供のことも知らないのである。ノアが1921年の人間であるからには、エリーザベトがのちに彼の時代に行ったのか、それとも彼がエリーザベトの成人した時代に行ったのかは分からないが、いずれにせよ時間旅行の起こした悲劇だ。

それからもう1つ驚いたのが、ヨナスが事情を理解し、アダムに言われて過去の一部を変えれば未来は変わり、自分は消えるが父であり友人であるミッケルは生き続けると信じて父の自殺の少し前に戻って話をしたところ、父が言うには当時洞窟に誘導して自分を過去に連れて行ったのはヨナス自身だったと証言したこと。つまり、2019年以降だがそんなに遠くない未来のヨナス自身がその日ミッケルの前に現れ、森で少し前にヨナスとはぐれていたミッケルを逆方向の洞窟に連れて行ったと言うのである。ミッケルが過去にいかなければヨナスは生まれず、ヨナスが生まれないと悲劇の運命の絡まりを断ち切る人がいない。そのことをいつの時点かのヨナスが悟ってこの行動を起こしたことになる。

でも不思議なのは、ヨナスがそうしなかったらミッケルは過去に行くことはなく、そうするとハンナはミッケルと結婚しないしヨナスは生まれないが、悲劇の運命の絡まりは起こらないのではないだろうかということである。ヨナス自身が生まれなければアダムも生まれないから、アダムが過去に働きかけたりすることはなかったはずである。まだ明らかにされていないもっと複雑な背景があるのかもしれない。

とはいうものの、ベータ世界線(私が勝手につけた)からのマータの登場により、このドロドロの状態からは少し逃れられそうな気がしてきた。ベータ世界線からこのアルファ世界線を操作するのか、それともベータ世界線にアルファ世界線のヨナスが干渉することによりSG世界線に移れるのか。それともアダムはそれさえもお見通しでわざとここまでやったのか。

考える時間はたっぷりあるけど解釈の方は一歩も進めそうにない。