きぬかつぎ

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そうか、「ファウンデーション」が出るか。。

Photo by Tuur Tisseghem on Pexels.com

実は月曜日の日にアップルのWWDCがあるのをすっかり忘れていて火曜夜になってから観た。

どのOSのアップデートもこれはいいな!と思った。

でも、一番驚いたのは

あの「ファウンデーション」がAppleTV+に登場するということだった。2021年の予定である。

実はOSのアップデートのことしか考えていなかったのでこれが紹介された時本当に驚いてしまった。

私が少女時代に(私だって太古には女子中学生だった)もっとも感動した作品の一つなのだ。ドラマとして見ることは多分絶対ないだろう、と思っていた作品でもある。

「ファウンデーション」は、映画「アイ、ロボット」の原作者であるアイザック・アジモフの作品である。作品の概要や関連作品のリストは当然ながらWikipediaに挙げられている。決して無名ではないのだけれど、一人の主人公の英雄物語とかそういうわけではなく、ギボンのローマ帝国衰亡史から影響を受けただけあって最初は特にお堅く乾燥した雰囲気で始まる。しかも未来史であるから、時代により登場人物も次々代わっていきストーリーを追っていくのも映像作品だとわりと大変なんじゃないか、と思っていた。だから本当に驚いておおおと唸ってしまった。

作品の概要と本編ならびに関連作品のリストはもちろんWikipediaに載っている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ファウンデーションシリーズ

私が太古から今までこの作品の大きな魅力だと思うのは、我々が今生きている時代から遥かに後の時代の歴史の大変な長さの物語が、最初は小さなピースから始まって少しずつ大きくなっていき、膨大な大きさになると今度はそれが色や模様を変え始める、というようなイメージで展開されていくところだ。

私個人のこの作品の楽しみどころは主に4つ。

  • セルダン計画を歴代の人々がどのように捉え、そして捉え方がどのように変わっていくのか
  • 銀河文明がどのようにして崩壊し、どのような段階を経て新しい文明が取って代わっていくのか
  • 人間の心理の普遍性ー見栄を張ったり、誘惑に負けたり、嫉妬したり。何万年経っても人間自体は全然進化していないところ
  • ところどころに出てくる謎解き、特に本編最後

セルダン計画というのはハリ・セルダンという学者が作り上げた、現存の銀河帝国の崩壊後に人類が最短距離で最善の未来を得るための計画である。物語、というか歴史はその計画が始まるところから始まる。

文明の崩壊を見るシーンもなかなか興味深い。崩壊と言ってもそれは戦争で破壊されるとかいうことではなく、これまでは当たり前だった技術が使えなくなったり、一見機能しているように見える中央の権力機構が既に形骸化して水面下では無力になっていたり、というようなことだ。それを話の中で見せてくるのが初めて読んだ当初は新鮮でとてもゾクゾクしたものだった。

ゾクゾクといえばやはり初めて読んですごいな、と思ったのが各時代に出てくる人物たちの心理だ。どの人物も今の我々と同じような気持ちで日々を過ごし、何かを大事に思ったり憎いと思ったり、嫉妬したり謀略を企てたりする。それ自体はどのドラマでも同じではあるけれど、そんな心理が歴史をどんどん作り替えていくのがまた面白いのだ。

そして本編最後には大きな謎解きが出てくる。謎が解かれるとそうか、そうだよな、どう考えても、となるのだが演出が味わい深い。今なら読んだ後オンザロックを飲みたくなってしまうと思う。未来史といっても本編は単行本で3冊という量であり、すごく長いわけではない。それでもその中にたくさんの話とロジックが詰まっているので読み終えると結構頭の中にぎっちり詰まったような感覚があったのを覚えている。

文字で何度も何度も読んだせいなのだろうけど、これらがうまく活きて映像になるのかどうか。もちろん作り手の解釈でいいように作り替えて良いのだけれど、期待半分、不安半分だ。