きぬかつぎ

マンガ、小説、アニメ、ゲーム、音楽、酒、食、旅、仮想通貨取引や猫と日常生活のこと。

学ぶ目的とは

知り合いの父上は、何かの拍子にとあるソフトウエアの言語がイタリア語になってしまい、何をどうやっても変えられなかったのだという。

普通ならパソコンに詳しい誰かを探したりするものだが、勇敢なその人はイタリア語辞典を買ったそうである。

私がお宅にお邪魔した時彼は誇らしげにイタリア語のソフトウエアを操ってみせてくれた。

笑ってしまう話であるが、考えてみると私もあんまり笑えない。

ドイツ語を学ぼうと思ったきっかけはゲーテでもショーペンハウアーでもなくスコピーであった。英語で唄っていたとはいえ、彼らの祖国であるドイツの、故郷ハノーファーでドイツ語を習ってみたい、などと思春期の私は思っていたのであった。

語学留学してみると音楽とか美術とかビジネスとかいう理由で留学することになった日本人が多かったので自分のことはとても言い出せなかった私だが、それでも今や目の前にクラウス・マイネが現れても緊張こそすれ、会話に困ることのないレベルまでは成長した。それで一応生計を立てることができるようにまでなったのはひとえにマイネ氏の素晴らしい歌声のおかげである。

語学に限らずとも、何かを学ぼうと決心する時、そのきっかけが人から見てくだらなくてもいいのだな、と今になってもつくづく思う。