きぬかつぎ

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週末のパーティ

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週末は義母の誕生日ということで慌ただしく過ごした。

ドイツでは誕生日はクリスマスと同じくらい大事な行事にランクインすると思う。

誕生日のために休みを取る人もいるし、とにかく真剣に祝う人が多い。

特に大事なのはキリの良い数字の年。たとえば30歳、45歳などなど。普段の年もかなり一生懸命祝うのに、こういう年はさらに気合を入れたりする。

長く居てもどうしても自分自身がやる気になれないのが実はこれ。

だからプライベートでは家族が祝ってくれるのだけありがたく受け止めて、自分では何もしない。夫との間では結婚当初に協定を結んで誕生日祝いはお互いにせず、ほしいものは自分で買うことになっている。

ただし、職場でだけは人間関係上必ずケーキや高級菓子などを持って行ってみんなに振る舞わねばならない。

他の人たちが自分の誕生日に自作のケーキや菓子、あるいはブランチなどを提供するので私もやらねばならないのである。

日本でいう祝い事の半返し?みたいな感じだと思う。

話が少し逸れてしまったが、義母にとっても誕生日は一年の中の晴れ舞台の一つである。

しかし今年はコロナの影響で友人たちを呼ぶことができなかった。高齢な本人と同年代のご婦人たちを外で祝わせるわけにもいかない。コロナの感染は防げるかもしれないが風邪を引かれてしまう。

本人もそれをよくわかっているのでごく身近な家族だけで小さなパーティをすることにした。

でもかなり気落ちしていたことも確かだった。

それで周りで考えたのが二つに分ける祝い方だった。

ごく身近な家族、つまり我々子供たちと自分の兄弟だけで室内でブランチを、そして午後に近所の人や少し離れた親類などを招いて外でシャンパンで乾杯だけした。

ドイツでは屋外で十分に距離さえ置いておけばマスク着用の義務は今のところないし、ぎりぎり今のところ外で少しの間なら過ごせる気温でもある。長い時間だと冷えてくるが高齢者だから長い間立っていることができないから乾杯してちょっと世間話してお開き、という気軽な形で済ませることができた。

フランスやイギリスでの新規感染者再急増がかなり深刻になっているらしいので、ドイツもいずれは同じようになるのではないかと一夜開けて月曜はあちこちで偉い人や専門家のコメントが報道されていた。

今でさえドイツのロベルト・コッホ研究所の指定するリスク地域にベルギーのブリュッセル、フランスのブレータニュやノルマンディー、イル・ド・フランスなど、ルクセンブルク全体、オーストリアはウィーンなどがリストアップされている。ドイツは今のところまだ比較的周りの国々よりは「マシ」という感じなのだけど、新規感染者数はすでに連日千人を超えているし、先週は2千人を超えた日もあった。

あと数週間後だったらもしかして気温だけでなく国内のルール的にこのようなことはできなかったかもしれない。

にも関わらず、ドイツ出身者が来年の五輪開催を可能だとしているらしいと言うのがイマイチ納得がいかない。

普段はあまり興味がなくても五輪くらいは見る、というタイプの人たちでさえ、私の周りで現実的あるいは妥当だと考えている人はいない。今はそれどころじゃないんだ、と言う。

見に行きたいと言う人もいないし、感染を防ぐためのルールばかりでなく、経済的に練習ができる状態にない選手もいるという。

五輪が世界をスポーツの祭典であることがまず第一の前提なのだったら、今の状態で世界中の人たちが苦しんでいる最中に来年の夏という短い準備期間で実行しようという姿勢はかなり疑問だ。

仮にワクチンができたからってそれまでに世界中の人たちが等しく接種できる保証はないし、選手や関係者を優先にするとしたらなんか不公平な気がする。

世界中で多くの人たちが亡くなったり職を失ったりしているのに、まだ全然終わっていない災禍を終わるものと勝手に決めて開催しまっていいのかという。

これからどのくらい深刻になるのかわからないが、今それどころじゃないよなあ、という雰囲気なのだ。