きぬかつぎ

マンガ、小説、アニメ、ゲーム、音楽、酒、食、旅、仮想通貨取引や猫と日常生活のこと。

移住先の選択条件

f:id:kinu-katsugi:20200919192755j:plain

移住先を決めるときは生活環境の交通網のみならず、友人親戚知り合いが来やすい環境のこともよく考えた方がいい、というのが私の実感だ。

田舎暮らしというのは(田舎だけじゃないけど)最初のうちはいろんなことができそうに見えるのだが、実際に暮らし始めてみるとそうでもなかったりする(実体験)。

Uターンした人でもない限り、人間関係を築いていくのも簡単ではないと思う。土着の信仰や慣習もすぐには飲み込めない。新生活を始めてから地元に慣れて友情が育まれるまでの隙間を埋めてくれるのは、親友や物珍しさで訪れてくれる知り合いなどである。精神的にちょっと疲れてきた時、遠方より誰かが来てくれたりするとかなり気分転換になるものだ(これまた実体験)。

何度も書いたが、私が独身だった頃は町中に住んでいて、週末になるとよく誰かがうちに来ていた。ものすごく親しい仲のみならず、社交辞令的な表面的なお付き合いでも。

日本からも、親しい友人たちに加え大学時代のそれほど親しくもなかった同級生や元勤め先の先輩後輩なども来た。

それもこれも、当時住んでいたところがものすごく町中で交通の便が良いところだったからである。

違う街に出張で来た人も、電車でこれくらいならと寄ってくれたり、自由旅行でワンストップ追加して立ち寄ってくれたり、深夜バスで来たり。

民宿として利用されていたわけでもなく、訪問者は自分でホテルの部屋を取って、私とは町中で会うとかうちでお茶を飲んだりご飯を食べたりすることも多かった。

今は店が一軒もない村で、最寄りの駅までも車で行かねばならず、電車も1時間に一本で運休遅延が多い環境である(これまた何度も書くけれど)。

遠方からの訪問客は必ず我が家に泊まってもらわないといけないから、ど田舎だと訪問は自ずと家族と親友中心になる。交通費もさることながら時間もかかるようなところだと親しくてもなかなか会えなくなる。多種多様の人間と顔を合わせる機会が激減するのがど田舎の生活だ。

私自身も将来どこに住もうかよく考えるが、今までの経験とパンデミック下の生活を踏まえ、「交通網が比較的発達している町」というのは次の必須条件だな、と心に決めている。

日本で言えば新幹線の停まる駅、空港のあるところとか。

欧州なら長距離列車の停まるところはメリットが大きいし、空港があるのも便利だ。日本からの直行便がなくても、大きな空港から乗り換えられるとか電車で行かれれば十分だろう。

高速道路の出口で降りてすぐ、なんていうのもインフラとしては悪くないけれど、車に乗れなかったらダメだ。そうすると自ずと訪れてくれる人の範囲が狭くなる。

そして大事なのはその町、駅や空港から自分の住むところがあまり離れていないこと、そして人をもてなせるだけの町の規模ではないかと思う。大きな町があっても、自分がそこまで1時間以上かけて行かねばならなければ最寄りとはもう言えない。

在宅勤務であればなおのことだ。今までは昼食や休憩時間、廊下でなどさらりとこなしていた人間関係がない分、余暇の人間関係を充実させられる環境は重要だろうと思う。