押麦の超高速レシピ
以前一緒に働いていたおばさんがある日職場のキッチンででお湯を沸かしていた。
別に聞いていないのに自分から何をするつもりなのか話してくれたところによると、今日は風邪でお腹の調子がイマイチなので押麦を食べるのだという。
押麦なんか馬の食べるもの食べなきゃならないなんて情けないわ、とおばさんは言っていた。そんなことないと思うが、私はその時初めて押麦をお湯でふやかすとお粥風になることを知ったのであった。それまでは押麦というのは冷たくても熱くても牛乳を入れるものだと思っていたがそうではなかった。
おばさんには気の毒だったけど私には彼女の食べていた押麦粥が美味しそうに見えたので、家にあった押麦に熱湯を注いで数分置いてみたところ、見事にふやけて味わい深い粥になっていた。
もちろんこれは私の主観なのだけど、元の米さえある程度のクオリティがあれば白米も粥も単品で味わえるタイプである。ちなみに豆腐もいける。
押麦の場合、これまた知り合いのおっさんに昔教えてもらったのだがケルンというメーカーの押麦、これだけが単品でもいける品質である。他のを試してみたら匂いが鼻についてダメだった。以来買うのはこれだけで、粥状にして食べると冬の朝などは温まるし何よりものすごく早くできる。お湯をポットで沸かしている間に鉢に押麦を入れ、沸いたらお湯を注ぐ。ふやかす間に粉末状のだしの素とか梅干し、海苔などを混ぜ入れればちょっと手を加えたようにすら見える。